教室3:共生文化メッセージ(2)/学習の参考例

<気持ちを表現するには>

 『盲導犬ミントの子守歌』を読んで、小学校6年生の女子生徒が「青少年読書感想文全国コンクール」で入賞しました。浩宮様・雅子様も出席され、パーティーには彼女のお祝いに私も参加して楽しい一時を過ごしました。
 この事例は「共生文化メッセージ」を通して書かれた感想文ではありませんが、星野有史の著作を読んで、豊かな感性と問題意識が深められた実際には、セミナーで目指す内容が含まれています。人それぞれ人生観や文章の特徴が違いますので標準化できませんが、本セミナーではあなたの気持ちを引き出し、このように書き方の基本が身に付く支援に努めてまいりたいと思っています。

 それではどんな課題で書き方の基本を学び、自己分析を進めていけばよいのか。参考に二つのテーマを紹介しましょう。

『私のルーツ』

 自分史に限らず、手記やエッセイに関しても、自身の半生を綴った記録が基盤であり、生きてきた証です。より、客観的に自分自身を表現する必要があります。そのためには過去の行動を見つめ、事実を書かなければなりません。縁の地を訪れて当時のことを思い出す調査・研究も大切でしょう。人生の行路をもう一度歩み直してみることでもあり、そういった「自分探しの旅」(私のルーツ)を行う自己分析の作業です。

『感動した出来事』

 日常の会話、忘れられない出会い、美しい自然に遭遇する中で、感動した出来事やニュース、逆にそれとは程遠い体験にショックを受けたこともあったと思います。事実は勿論、それに気づき何を考えたかの視点は、あなただけの感性や分析であり、内容を深めるために重要なポイントとなる要素です。これらを意識して書き留め、共に考察し、命と平和を基盤に各自の関心分野に基づいて、テーマを深めていきます。

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<作文・小論文の力をつける>

 大学入試を経験したり、受験勉強中の人なら聞いたことがあるかも知れません。通称赤本と言われる大学入試シリーズで傾向と対策を知る問題集がありますが、2005年(数学社)に私の著作「しっぽのはえたパートナー」から一説が資料として鳥取大学の入試に採用されたので、その問題(一部省略)を参考例として紹介します。
 「共生文化メッセージ」においては、手記やエッセイの他、作文・小論文の書き方等についても支援いたします。論理的な思考力を高め、あなたの目標を達成していきましょう。

教育地域科(地域政策)学部 (小論文:90分) 解答例省略

小論文・問題

 盲導犬などを飲食店や交通機関に同伴する権利を認めた法律が可決され、平成14年10月1日から施行された(資料1参照)。これは視覚障害者などの平等な社会参加への第一歩といえるが、さまざまの課題も残されている。法律に関していえば、身体障害者補助犬の同伴を拒否された場合に、十分な権利保障がないことがその一つであり、他方、受け入れる側の意識の問題もある。たとえば、犬のしつけはどうか、衛生面で問題はないか、その客に危害を加えることはないかなど、飲食店等でいだかれうる懸念(資料2参照)をどう取り除くか、というような問題である。
 資料1から4も参考にして、どのようにすれば円滑に視覚障害者が盲導犬を同伴して入店できるようになるかについて、800字以内であなたの考えを述べなさい。

資料1

身体障害者補助犬法(抜粋) 省略

資料2

(星野有史『しっぽのはえたパートナー』、法研、1999年、51~52頁) 省略

資料3

 「それなら、盲導犬は外に待たせておけばいいのに。犬を店に入れようとするから問題になるのであって、視覚障害者自体を拒否しているわけではない。そのほうが交渉する手間も省け、トラブルも減るのではないか」と忠告されたことがあった。実際、飲食店に行くと「犬は外につないでください」とよく言われる。だが、犬は神経質な動物であり、特に盲導犬の場合には常に生活をともにしているわけだから、主人と離れると情緒的に不安定な状態になってしまう。それがせっかくのしつけを崩してしまうのだ。そればかりか、外につないでおいたために、悪戯されたり盗まれたりしたという話も聞く。だからこそ十分しつけをしたうえで、一緒に入店できることを希望するのだ。
 そして、犬と一緒に入店することを認めてもらいたいもっとも大きな理由は、「盲導犬は視覚障害者の目である」というアイメイト協会の主張にある。単なる犬というだけなら、外に待たせておくことも状況によっては必要であるかもしれない。しかし、盲導犬が視覚障害者の身体の一部として機能する時、私たちは一体なのである。目を外に置いて店に入るわけにはいかないではないか。(同上80~81頁)

資料4

 全国のおよそ30万5千人の視覚障害者のうち盲導犬希望者は約7800人と推定されている。これに対し盲導犬の数は、次の表の通りである。
(日盲社協リハビリテーション部会盲導犬委員会調べ) 省略

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