支え合う共星ネットワーク(2)

<エンジェルノートに記された幸せ>

 少しの希望に繋がるか全くわかりませんでしたが、ウィは先日、サポートネットワーク協会で経験した出来事を話してみることにしました。持ってきたエンジェルノートを開いて記録を見ながらウィは言います。
 「この共星には数年に一度、日食があって、この間、太陽が隠れてしまったでしょう。一日真っ暗だから注意してほしいと言っておいたんだけど、雛を置いて餌を捕りに行った母鳥が、途中方向に迷って戻れなくなってしまったんだ。雛達はお腹を空かして待っているというし、何とか帰りたいって。みんなに声をかけたんだけど、暗くては動けないと言って断られてしまった。そんな時だった。暗い所なら任せておいてとモグラのリードが声をあげ、母鳥を迎えに行くと、背負って雛の待つ木まで送ってくれた。それは助かったよ」。

 ウィの話を聞いてダミールは「あははは」と大きな声で笑い出しました。「目の見えない俺にも何かできるってことか」。ウィは続けて言いました。「モグラ叩きのようでは困るけど、叩かれても叩かれてもどんどんみんなの前に出て行って、自分にしかできない仕事をする。格好良い生き方だと思います」。
 しばらく沈黙が続いた後で「こんな惨めな姿の俺様を見たら、みんな哀れに感じるだろうな。でも、自分が助けられることで触れ合いが生まれ、新しい絆ができる。そんな心のハーネスを結べるような役割が俺様にできるだろうか」。ダミールは静かな声で夢を語りました。
 介助を受けながらも高原に現れた王様ライオンのダミールに、嬉しくなった動物達が集まって、どこからともなく喜びの拍手が沸き上がりました。

天使犬ウィのハーネスを握る子供達のイラスト

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