心のハーネス福祉講演会(1)

天使犬ウィが講演を聴いているイラスト

<講演会を聴いて>

 中学2年生までは健康で野球好きの少年だった。それが原因不明のベーチェット病にかかって視力が低下、高校2年生で全く光を失う。生活が一転し、目の見えない世界への適応は困難の連続。自立のため白杖歩行に努力したというが思うようにできず、アイメイト(盲導犬)と歩行、格段に行動範囲は広がった。しかし、飲食店や宿泊施設・交通機関等の利用でクレームを言われることが多くあり、社会参加の難しさを思い知らされる結果になる。

 こうして生きる環境の中で知る支え合いの心。アイメイト(盲導犬)に装着したハーネスから絆を感じ取る関係において、コミュニティの原点を学んでいく。そこに「心のハーネス」を認めて福祉の活動に努めるようになった。

 視力を失うまでの心理葛藤、仲間や恩師・家族の協力、アイメイトとペアを組んで精神的な支えを得て活動、結婚・子育てと邁進する人生の物語は、会場で聞いている人達を温かい癒しの世界で包みこんだ。しかし、講演会の特徴は、それを精神論に留めず、障害者の社会参加に対する問題、人々の支え合いや介護・教育の課題等、社会福祉学の理論を基盤に、自らの経験を客観的に分析、日本の福祉について独自の視点で考察するところにあった。

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